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書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 6月13日(水)23時09分1秒
  『楊令伝(十二)』(著:北方謙三。集英社文庫)
P184 不正をなさない。人を裏切らない。卑怯なことはしない。いつのころからか、そんなふうに生きなければならないのだ、と思うようになった。
 それだけのことだ。

P277 作戦も、指揮官から兵にいたるまでの動きも、すべて平凡である。
 しかし、屈しない。屈しないことだけは、平凡でもできるのだ。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)』(著:村上春樹。新潮文庫)
P22 若くて美しくて太った女と一緒にいると私はいつも混乱してしまうことになる。~
 ただの太った女なら、それはそれでいい。ただの太った女は空の雲のようなものだ。

P23 人間の太り方には人間の死に方と同じくらい数多くの様々なタイプがあるのだ。

P40 まるでビニール・ラップにくるまれて冷蔵庫に放りこまれそのままドアを閉められてしまった魚のような冷ややかな無力感が私を襲った。

P80 サンドウィッチを食べているときの老人はどことなく礼儀正しいコオロギのように見えた。

P87 トラブルの大部分は曖昧なものの言い方に起因していると私は思う。世の中の多くの人々が曖昧なものの言い方をするのは、彼らが心の底で無意識でトラブルを求めているからなのだと私は信じている。

P116 誰だってあわてて転ぶことくらいはあるにしても、野球の試合中に二三塁間で転ぶべきではないのだ。

P142 「やれやれ」と彼女は言った。「あなたの家に行く道順を教えていただけるかしら?」

P206 「先はないのよ」と彼女は言う。「あなたにはわからないの?ここは正真正銘の世界の終りなのよ。私たちは永遠にここにとどまるしかないのよ」

P215 「やれやれ」と言って私は時計を見た。

P220 ~私にわかったことは、あらゆる酒の中ではウィスキーのオン・ザ・ロックが視覚的にいちばん美しいということだった。

P225 ここのところ、私の判断力にはかなりのミスが目立っていた。一度ガソリン・スタンドにいってボンネットをあけて見てもらった方がいいかもしれない。

P244 「やれやれ」と言って私は冷蔵庫から缶ビールを出して飲んだ。

P276 私はドストエフスキーの小説の登場人物には殆ど同情なんかしないのだが、ツルゲーネフの小説の人物にはすぐ同情してしまうのだ。

P281 どうやら私の眠りはひどく安い値段で競売にかけられているようだった。みんが順番にやってきて、中古車のタイヤの具合をためすみたいに私の眠りを蹴とばしていくのだ。

P323 「どうしてそんなにお酒を飲むの?」と娘が訊いた。
「たぶん怖いからだな」と私は言った。
「私も怖いけどお酒飲まないわよ」
「君の怖さと僕の怖さとでは怖さの種類が違うんだ」
「よくわからないわ」と彼女が言った。
「年をとるととりかえしのつかないものの数が増えてくるんだ」と私は言った。
「疲れてくるし?」
「そう」と私は言った。「疲れてくるし」

P351 「やれやれ」と私は言ってため息をついた。

P360 「やれやれ」と私は力なく言った。

 
 

書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 6月13日(水)22時26分30秒
  『天地明察(下)』(著:冲方丁。角川文庫)
P24 ~若い頃はとんでもない荒くれ者だったらしい。真偽は知らないが~陰惨な辻斬り行為に耽ったという怖い逸話がある。心の慰めが激烈な殺人行為だったという凶人・徳川忠長に、けっこう気性が似ているそうな。

P47 ~”凶作と飢饉は天意に左右されるゆえ、仕方なしとすれども、飢饉によって飢餓を生み、あまつさえ一揆叛乱を生じさせるは、君主の名折れである”という結論に達したのである。
 これこそ正之という個人が到達した戦国の終焉、泰平の真の始まりたる発想の転換となった。

P67 「安井算哲よ。天を相手に、真剣勝負を見せてもらう」

P114 そこへ闇斎がすっ飛んできた。なんのためか。ただ一緒に泣くためである。闇斎はそういう人だった。

P123 君主の死を平然と口にする家臣、家臣に過去の勲功を焼かせる君主、これほど信頼の歯車が噛み合い、不都合なく回転するのも珍しい。

P164 春海としては、あの正之の半ば盲いた目にやどる、至誠の二字にふさわしい意志の輝きを思い出すだけで、どんな罵詈雑言も聞き流すことが出来た。

P245 大地たる経度の差。天における太陽との距離の誤差。~万民が長く抱き続けてきた大地と天の姿そのものに誤謬と正答を見たのである。~
「天地明察です・・・・・伊藤様」
 途端に、万感が込み上げてきた。~
「やったよ、えん」
 ぼんやり告げた。

P273 貞亨元年十月二十九日。
 大統暦改暦の詔が発布されてから僅か七か月後のその日。
 霊元天皇は、大和暦採用の詔を発布された。
 

書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 6月11日(月)22時04分11秒
  『天地明察(上)』(著:冲方丁。角川文庫)
P8 ”明日も生きている”
”明日もこの世はある”
 天地において為政者が、人と人とが、暗黙のうちに交わすそうした約束が暦なのだ。

P135 左手は火足(ひたり)すなわち陽にして霊。
右手は水極(みぎ)すなわち陰にして身。
~拍手は身たる右手を下げ、霊たる左手へと打つ。

P209 しわくちゃの顔をしただけで実はまったく歳を取っていない二人の少年が目の前にいるかのように錯覚され~体内の嫌な陰の気がどっと体外に放出されて、新たな気が入ってくるようだった。

P218 ~この世に生まれてから何度見たか知れないものだ。なのにそのときの夜空の広大さ、星々の美しさに思わず息を呑んでいた。これほどのものを、毎夜、目にすることが出来ながら、なぜ苦悩というものがこの世にあるのだろう。
 

書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 6月11日(月)21時17分17秒
  『1Q84 Book3前編』(著:村上春樹。新潮文庫)
P12 髪をポニーテイルにした背の高い男は~壁についたしみを見るような目で牛河を見ていた。

P214 「悪くないよ。コンパクトで余計な飾りがない」
「ありがとう」と安達クミは言った。「そんな風に言われると、なんかホンダ・シビックになったような気がするね」

P315 あれからあと俺はいったいどんな勃起を体験しただろう。~思い出せないところを見ると、もしあったとしてもきっと二級品だったのだろう。映画でいえば員数合わせのプログラム・ピクチャーのようなものだ。

『1Q84 Book3後編』(著:村上春樹。新潮文庫)
P121 惨めな長い三十五分間だったが、惨めな長い一時間半よりは遥かにましだ。

P182 しかし父親の貯金通帳を引き継ぐのは、天吾には気の滅入ることだった。重く湿った毛布を何枚か重ねて引き渡されるような気分だ。

P295 「論理の通らないことを論理的に説明するのはとてもむずかしい」
「~六本木のオイスター・バーで本物の真珠に巡り合うくらいむずかしいかもしれない。~」

P303 「遠くまで行くとあんたは言った」とタマルは言う。「どれほど遠くなのだろう?」
「それは数字では測ることのできない距離なの」
「人の心と人の心を隔てる距離のように」

「悪いけど、ヘックラー&コッホは返せないかもしれない」と青豆は言う。
「かまわない。~持っているのが厄介になったら東京湾に捨てればいい。そのぶん世界はささやかだが非武装に一歩近づく」

P326 ~二人は力を持たず知識を持たなかった。生まれてから誰かに本当に愛されたこともなく、誰かを本当に愛したこともなかった。~彼にわかるのは、この児童公園の滑り台の上で二人でこうして手を握り合いながら、沈黙のうちにいつまでも時を過ごすことができるということだけだった。

P378 「ねえ、私は一度あなたのために命を捨てようとしたの」と青豆は打ち明ける。~
「心から信じると言ってくれる?」
「心から信じる」と天吾は心から言う。

P392 夜明けに近くなっても、月の数は増えていなかった。

P393 今はその微笑みを信じよう。それが大事なことだ。彼女は同じように微笑む。とても自然に、優しく。
 

書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 6月11日(月)20時40分19秒
編集済
  『1Q84 BOOK2前編』(著:村上春樹。新潮文庫)
P43 「バーニー・ピカードは天才的な二塁手のように美しくプレイをする」と彼女はあるとき言った。

P49 大きな頭頂部は不自然なほど禿げ上がっており、まわりがいびつだった。その扁平さは、狭い戦略的な丘のてっぺんに作られた軍用ヘリポートを思い起こさせた。

P274 「説明しなくていい」と天吾は言った。説明されないとわからないのであれば、説明されてもわからないのだ。

P298 その30分後に、二人はそれぞれに汗をかき、激しく汗をかき、激しく息をついていた。まるで奇跡的なまでに深い性行為を成し遂げた恋人たちのように。

P327 世界とは、「悲惨であること」と、「喜びが欠如していること」との間のどこかに位置を定め、それぞれの形状を帯びていく小世界の、限りのない集積によって成り立っているのだという事実を、窓の外のその風景は示唆していた。

『1Q84 BOOK2後編』(著:村上春樹。新潮文庫)
P118 「~その青豆という名前の女の子は~僕という存在にとってのひとつの大事なおもしの役割を果たしていた。~」

「でもやっとわかってきたんだ。~その温もりや動きは、僕が見失ってはならないはずのものなんだ。そんな当たり前のことを理解するのに二十年もかかった。~」

P135 「~しかしいったんそれが見えたら、あとは彫刻刀をふるってそのネズミを木の塊の中から取り出すだけだ。~そいつはつまり、木の塊の中に閉じ込められていた架空のネズミを解放しつづけていたんだ」

 

ありがとうございます

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 5月24日(木)05時46分34秒
  >寂しくもあり、誇らしくもありですね。
誇らしいとまではいかないのですが、「よかったな」とは思いました。
ただ、ハナも含め寂しいのは事実で、ほかにも少し事情があり、5月の最初頃はかなりへこみ、
回復できたか、どうか。
>長男も人間関係とかどうなのかな?と、ちょっと心配していたら、結構楽しくやってるみたいで一安心しております。
よかったですね。ほんと、一安心ですね。

HPも、今後どうしようかなと思っています。
 

寂しくなりますね

 投稿者:ぐんまま  投稿日:2012年 5月15日(火)23時57分8秒
   こんにちは、お久しぶりです。
 お嬢さん、独立ですか‥‥。寂しくもあり、誇らしくもありですね。
 ハナちゃんがいなくなるのも寂しいですね。
 我が家も長男が寮に入ってしまったり、ジャンボ君がぶっ続けで出張なので、5人家族状態です。
 長男も人間関係とかどうなのかな?と、ちょっと心配していたら、結構楽しくやってるみたいで一安心しております。
 それにしても、コンスタントに読書されていて、素晴らしいですね。
 

書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 5月10日(木)22時18分38秒
編集済
  『楊令伝(十一)』(著:北方謙三。集英社文庫)
P97 民に安寧を与えたら、なにが返ってくるのか。~安寧が、わずかに安寧でなくなっただけで、不満が充満し、民は牙を剥きはじめるだろう。~
 その牙を抜くのが、王の残酷さではないか。

P131 「楊令殿でも、反省、いや反省されることがあるのですか?」
 韓成の口調には、微妙な皮肉がこめられているが、楊令は聞き流した。嫌われること、懼れられることは、頭領になった時に覚悟したのだ。

P140 死んだ人間に対し、宋江はこんなふうに書状を届けていたのだ。全部の人間には、書けなかっただろうし、宛名さえわからない者も多くいただろう。書ける限り、宋江は書いたのだ。

P169 いくら領土を拡げたところで、そこにいる民の数を富と思った瞬間から、国は疲弊し、腐りはじめるのだ。

P292 「もっと大きなものを、見ている。それがあなたらしい。子供たちのことは、家族のことです。あたしが、いろいろと考えてあげればいいこと。~」
 梁山泊は、言ってみれば、家族のことだけを考えているのではないのか。

P365 歩兵の中に打ちこまれている、一本だけの杭。

P378 「老人ができることは、若者の代わりに手を汚してやることぐらいだ。杜興はそう思ったんだろう。早くいなくなる人間の手が、汚れる方がずっといいってな」

 

書評

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 5月10日(木)21時53分35秒
  『楊令伝(十)』(著:北方謙三。集英社文庫)
P124 「もともと人は哀しい。もう少し生きてみれば、わかるであろうよ。おまえがことさら哀しむのなど、無駄というもんじゃな」

P150 時々、どうしようもなく億劫になることがある。動きたくない。なにもしたくない。そう思ってしまい、そこから脱け出して動くのに、ひどく手間取ることがあった。

P168 「二つずつだぜ、楊令殿」
「悪いな。半分、俺にくれているわけだろう。返すものが、なにもない」
「そのうち、返してくれりゃいい。生きてる者同士ってのは、貸し借りは大事だ」
「まったくだ」

P226 「なにか、足りない、と思ってた」
 徐絢が、眼を開いた。
「いつも、なにか、足りなかった」
 徐絢の眼から、涙が流れ出してきた。
「ありがとうって言ってみたけど、それでも、足りない」
 徐絢の躰に、なにかが襲いかかってきているのを、侯真は感じた。
「いま、わかる。続きがあるのよ。ありがとう、あたしみたいな女、好きになってくれて」
 徐絢がいなくなるということが、侯真にははっきりわかった。
「ありがとう、ね」
 ね、というところだけが強く、心に突き刺さってきた。
「ありがとう」
 次は、ね、がなかった。
 ありがとう、もなかった。
 腕の中で、徐絢が徐絢ではなくなった。

P289 「ひとつだけ、俺が抱こうとしている思いを、言ってやろう」
 岳飛は、一歩牢に近づいた。徐史は、岳飛の背中を見つめていた。
「盡忠報国」
 

(無題)

 投稿者:石野陽虎  投稿日:2012年 5月 9日(水)22時41分30秒
  >息子は男で、そうそう細やかには行かないだろうし・・・m( )m
おっしゃる通りです。
私も息子として、自分の親に対する接し方で痛感しておりますが、
息子は全然細やかやないです。

>お嬢様のご健康とご多幸を、勿論、石野家の皆様にも心より祈っております!!
ありがとうございます。親離れするようがんばります。
  
 

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