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☆プロローグ☆
9月のはじめ、まだ残暑も残る今日この頃、
わたしは授業をさぼった。
今日はなんとなくだるいということもあって、授業に出る気がしなかった。
学校の屋上で景色がきれいな絶景ポイントでわたしはおろしたてのシワひとつない制服のままごろんと寝ころんだ。
雲ひとつない空をみて、ふと気づいた。
「空ってこんなに青かったんだ・・・」
と、つい声に出してしまった。
いつもそこにあることが普通すぎて、こんなにまじまじと空をみたことがなかった気がする。
そうっと目をつぶり、耳を澄ませると学校のグラウンドで陸上部が朝練をしているのか、応援しているかん高い声が聞こえる。
また、ぴーっというホイッスルの音や、体育館裏にある道路で走っている、車のエンジン音も聞こえてくる。
しばらくたってから、それらをさえぎるかのように、
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン♪
というホームルームの始まりの合図の鐘が鳴った。
わたしのクラスは、今わたしがいる、この屋上の真下にある。
わたしのクラスの担任の寿綾子先生が入ってきたのか、下から聞こえていた生徒たちの話し声がぴたりとやんだ。
寿先生は、ものすごく美人で、まだ20代前半くらいの新米教師だ。生徒と年が近いということもあるのか、うちの学校の男教師や男子生徒にも人気がある。
ただ、服のセンスがかなり悪く、化粧も厚い。しかも女子生徒にはどんなことでも注意するのに、男子生徒が何をしても全く注意せず、ひいきをする。そして、若い男教師にはいつも上目づかいで話している。
女子生徒や女教師からはもちろん、全く人気がなく、逆に嫌われている。
・・・あっ、、、もちろんあたしも大嫌いだけどね??笑
ちょうど昨日、夏休みが明けて始業式があった。
そして今日からまたうんざりするような、めんどくさい授業が始まる。
そんなことを考えていると、何やら下のほうから先生が出席をとっている声が聞こえてくる。
「熊谷〜」
「・・・はぁ〜い」
「種村ー」
「あっ、、、はいぃ〜」
(ぷぷっ!亜里沙、めっさかわいい〜。)
「野田〜」
「はいっ!」
「元気な返事でいいですね。ふふ。」
(きもっ!!真理ちゃんかわいそう!!)
「早河ー」
「・・・早河さぁん?」
「あら?早河さんはいないようですが、誰か知っている人いますか??」
(・・・!!!!あんの馬鹿担任めっ。あたしの席は教卓の目の前だろが!!わざわざ出席であたしの名前を何度も呼ばなくてもみりゃあわかるだろ、みりゃっ。あいつ、あたしがいないのをいいことにわざと言ったんだ。きっと。マジうざっ!!!!)
あたしはホームルームが大嫌い。だから1時間目のホームルームだけはいつもさぼる。
なぜかって??それは、あの馬鹿担任のきもい厚化粧をしたツラを見るのがいやだから。
てか、あの女にあたしの名前を呼ばれることさえイヤッ!!なんであんな女の点呼に答えなくちゃだめなの!!)
頭の中で色々とぐちっていると、いきなり上から誰かの大きな手がわたしの顔をおおった。
「わっっ!!だっ、誰っ!?!?」
わたしはびっくりして、思わず大声を出してしまった。
(ああ、、、なんて情けない声・・・)
「だあ〜れだっ??」
んむむ?!なんか聞き覚えのある声だゾ??もしかして・・・
「壱吾っ!?」
あたしが言ったとたんに、顔をおおっていた大きな手が、ぱっと離れた。そこにはやっぱり想像していたとうりの人物、壱吾があたしの顔をのぞいていた。
「あったりぃ♪あ〜〜あ、、、ばれちったぁ・・・なんでわかった??」
と、純粋に残念そうな顔で壱吾は言った。
「なんでもなにもっ!!マジでびびったよ!?お、、おどかさないでよねっ!!」
わたしはそう言いながら起き上がった。
ちなみに「壱吾」とは、あたしのいとこで、同じクラスでどんなことがあってもいつもそばにいてくれた、本当は優しい人。
早河照夫(兄)(壱吾のお父さん)と早河良夫(弟)(あたしのお父さん)は双子で、壱吾とあたしは同じ日の5月6日に誕生した。もちろん、産まれた時間は違うけど。
その一年後、壱吾のお父さん・照夫とあたしのお母さん・千代子が浮気して、照夫と千代子の二人が車でドライブしている途中に、車どうしの正面衝突事故があって、そのときにふたりとも亡くなった。
そして、その半年後、残された壱吾のお母さん・清美とあたしのお父さん・良夫が再婚した。
壱吾にとっては清美おばさんが本当の母親で、
あたしにとっては良夫が本当の父親。
だから、壱吾とあたしはいとこ同士。
あたしたちからしてみると、なんだか複雑な関係だ。
「ぷっ!!おまえマジおどろきすぎだってっ!ウケル〜ッ!!」
と、壱吾は自分の口に大きな手をあてて笑って言った。
(なっ!!壱吾のバカあ〜〜!!!)
「んもっ!!!ってかなんで壱吾がいるワケ!?静かに昼寝でもしようかと思っていたのに、邪魔しないでよっ」
あたしはほっぺたをプゥと、思いきりふくらませた。
すると壱吾は、あたしのほっぺたを両手の人差し指でつぶして、「ばーか。てかお前さ、いつも昼寝とかゆーけどさぁ、、、今はまだ朝ですけど??」
「・・・うぅ・・・。」
(何も言い返せないのがくやしい〜)
「あっ、そうそう、、、俺がさ、ここにきたのは、あの厚化粧おばさんにさ、捜して来いって言われてきたんだよね。たぶんここにいるだろうと思って。そしたらやっぱここにいたんだよね、お前。」
(え・・・・・・。)
「そうだったんだ〜、あたしてっきり壱吾もさぼりできたのかと思ってたのに。そうだよね、壱吾頭いいし、普通じゃ授業さぼるとかありえないし。あははっ♪」
と、わたしが笑って言うと、
「えぇ!?ないない!!!俺ふつ〜だよ?」
って、、、、、、いやみですか!?壱吾が普通の頭脳だったら、あたしはどうなっちゃうの?!かなりやばいじゃん!!うあ〜ん!!
「むぅ〜・・・」
「って、、、どした!?なんか俺、蜜柑を怒らせるようなこと
言った??」
「言ったよぅ〜、、うぅ・・・」(泣)
「あ〜、、、ごめんごめん〜、、、てかマジで泣くなよ」(汗)
そう言って壱吾は蜜柑の頭をやさしくなでた。ただそれだけのことなのに、それだけのことなのにっ・・・
蜜柑の心臓はもうばくばく!!顔中もう真っ赤!!
(!!!ぎゃあ〜!!!いっ、、、壱吾があっ!!!あたしの頭をなでたぁー!!!きゃ〜)
もおだめだ〜、顔、やばい!!壱吾にばれるぅ〜汗
「・・・・・・・・・・・・っ」
うぅ、、、赤面しすぎて声がでない〜〜!
「あれ・・・なんかおまえ、顔赤くね?熱でもあんじゃない??
大丈夫か??」
「え!!だっ大丈夫、大丈夫だよ!!ほんとにっ」(汗)
(でも、ホントは大丈夫じゃない・・・。壱吾のせいだよお〜)
「そっ、、それより早く教室にもどろっ♪」
わたしはすっと立ち上がり、まだ座り込んでいる壱吾に手を差し出した。すると、壱吾は、なにか戸惑っている様子で、なかなか立ち上がってくれない。それを不思議に思ったわたしは、
「なあにやってんのぉ、、早く戻ろうよっ?さ、早く早く!!」
と、言った。すると壱吾は、はっとしたように、
「あぁっ、そうだな、、、もっ、、もどるか!!」
と言って、ようやく立ち上がってくれた壱吾と一緒に、あた
しは教室へ戻った。
このとき壱吾がおこした、首をかしげるような行動の意味を、蜜柑はもう少し後に知ることになる。
わたしと壱吾が教室へ入ったとたん、クラス中のみんなの視線がいっせいにあたしたちにあつまった。
(ぎょっ!?なななな・・・っ何!?このいやらしいような、きもい視線!?)
あたしはぎょっとして、しばらく声が出せなかった。おそらく壱吾も同じだろう。こういうことになって、おどろかない人はたぶんいないと思う・・・。
ていうかなんで!?あたしたちがさっき屋上から降りてくるとき、一時間目のホームルームのおわりの鐘、なりましたよね!?今は休み時間中だよね??あれっ??なのになんでみんな静まり返ってるの!!??
・・・・・・なんか、、、みんなの視線が一点だけに集中してるように感じるのは気のせい・・・??
あたしはなにがなんだかよくわからず、とりあえずみんなの視線が集中しているところをみてみると・・・
(ぎゃあぁ〜〜〜っ!!!)
ななななっっっっ!!なんと!!!
みんなの視線が集中しているところは、あたしと壱吾がつないでいる手だった!!
そして、今の状況からして思い当たることといえば・・・、あたしが屋上で壱吾に手を差し出したときに、あたしが一方
的にかなり強引に壱吾の手をつかんじゃって・・・。
・・・ぎゃあ〜〜!!!やばいやばいマジでやばい!!!あたしがずっと教室まで壱吾の手をひっぱってきちゃったん
だ!!!あたし、手をつないでいることを気づかないなんてほんとにばかだあ〜!!!(泣)
あたしのせいで壱吾まで注目されちゃったよお〜・・・
みんなにはこの状況をなんてごまかせばいいのぉ!?やばいよ〜・・・みんなに誤解されちゃってるよね・・・。壱吾、ほんとにごめえ〜んっ!!・・・もう絶対絶命だ〜(泣)
「がばっ!!」
(え・・・・・・っ!?)
いきなり壱吾がクラス全員が見ている前で蜜柑を抱きしめた。
みんな予想もしていなかった展開におどろいて、しばらくの間、教室中誰ひとりとしてしゃべらなかった。そして、蜜柑も同様だった・・・。
その沈黙を破るように、壱吾はついに覚悟を決めた・・・
「みんな・・・落ち着いてきいてください。なんというか、、、早河蜜柑と、俺は・・・見てのとうりの関係ですっ!!」
(って、こんな時に落ち着いて聞いていられるかぁあ〜っ!!!てか、あたしの心臓うるさい!!もうだめだあ!!うわあん!!)(泣)
ばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたばたっ!!!!
そして・・・その瞬間声も出さずに、その場にいたクラスの女子ほぼ全員が気を失った・・・・・。
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